[PR]
2025 / 05 / 06 ( Tue ) × [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
軍事学
2010 / 10 / 09 ( Sat ) 陸軍の編制
続きを読む
■□ 陸軍 <歩兵> 文字通り、足で移動し、旧日本軍では主兵とも呼ばれ、主にライフル(小銃)を中心兵器とした部隊(数的にも恐らく一番多い。現代では機械化されAPC=装甲兵員輸送車=などで機動力も大幅にアップしている) 現代の歩兵は大きく三つに分類される。 機甲師団に所属し、戦車の突破力を中心に戦車の掩護やその背後を固めるための歩兵。これには前記のように機動力と対戦車戦力が要求される。APCだけでなくIFV(歩兵戦闘車)なども多用されている。いずれにせよ、機動力と火力重視の歩兵といえるだろう。 次は空中機動歩兵。グライダーやパラシュートで敵の後方や味方の苦しい局面に投入される。旧日本軍でも「空の神兵」と呼ばれ、スマトラ島・パレンバン油田に降下し精油所の確保など、ある意味で花形であった。自衛隊でも習志野に日本最強兵団といわれる空挺団がある。 さらにヘリコプターの発達によってヘリボーン部隊も近代戦には欠かせない(ベトナム戦争でアメリカ軍が使用しその効力は実証されている)。ただ、その大きな特徴である空中機動力のため、逆に重火器や装甲車両を大量に投入できないという欠点がある。 最後に従来の歩兵である。歩兵であるため山地でもジャングルでも、その威力を発揮できる。さらに国により山岳師団や上陸作戦用の装備を充実した歩兵もあるのだが、これはバリエーションであり、世界の軍隊の中心もこの歩兵師団である。 <歩兵> 歩兵のみで編制(軍隊では一般的に「編制」と呼び編成とは呼ばない。編成とは臨時に部隊を合わせる場合をいう)される師団は少ないが、師団砲兵、軍砲兵等のように、戦略単位に付属して使用される事が多い。一般に砲といってもさまざまあるのだが、大きく平射砲(カノン)と曲射砲(ハウザー)とに分けることができる。また、その使用方法により口径等もさまざまだ。さらに野砲、要塞砲、山砲、高射砲等と分類することもある。 バズーカ砲と呼ばれる個人装備の対戦車砲や迫撃砲なども大砲なのだが、一応ここでは省略しておくが、その性能は高く、歩兵が使用する兵器として有効な砲であることは確かだ。 <工兵> 旧日本軍では「土方」と呼ばれていたように縁の下の力持ちである。地雷の設置や除去、架橋や鉄道の建設、兵舎や陣地の構築など、幅広く軍隊そのものを支える。戦闘になれば歩兵の突撃路を拓くために、地雷の処分や鉄条網の切開等、常に軍の先兵として挺身する兵種である。 <騎兵(戦車兵)> 騎兵は儀礼用以外は現在では殆ど見かけない。飛行機や戦車のなかった頃、その機動力を生かして敵情捜索を中心に情報収集、命令伝達等に威力を発揮した。また会戦時には主力軍の側翼や後方に位置し、その衝撃力を利用し、歩兵とともに最後の突撃を敢行して全軍の勝敗を決める原動力となった。更に追撃もその機動力をもって行っていた。旧日本軍では騎兵連隊から捜索連隊と名称を変更し、機械化(戦車、装甲車)したが、ナチス・ドイツのように装甲兵団としての運用まではいかなかった。現代ではそのスピード、火力、装甲で歩兵の援護だけでなく寧ろ決戦用兵科として独立して行動する戦車師団(随伴歩兵を伴った)として重要視されている。 <輜重兵:しちょうへい> 弾薬や食料など、前線で戦う部隊へ輸送・補給する兵科である。旧日本軍では、直接的な戦闘兵科ではないため、「輜重輸卒が兵隊ならば、蝶々トンボも鳥のうち」と蔑まれていたが、現在では寧ろ戦力保持等の理由から重要な兵科として認識されている。 現代では化学兵器に対応する化学科などが新設されたが、古くからの軍医科がある、その他憲兵(軍隊の警官)や経理部、軍楽科等もある。更に地上戦闘に密接にかかわってくる航空部隊も忘れてはならない兵科だ。すなち戦略目標は空軍に譲るとしても敵後方への攻撃は砲兵だけでなく航空部隊の主任務となるだろうし、制空権とともに敵機械化部隊へ対する攻撃も空中からの方がより効果的だからだ。攻撃ヘリ(武装)の活躍の場面だろう。更にヘリボーン、空挺部隊を敵後方へ降下させるにも、この航空兵科が重要なポイントになってくるだろう。 <編制> 最小の単位は分隊と呼ばれ、十人前後で軍曹が指揮する。この部隊を二つ以上集めて小隊となる。小隊長は中尉もしくは少尉(兵員は四~五十名)。二個小隊以上で中隊となり、中隊長は大尉である(兵員は二百名前後となる)。一般的には戦術単位とは中隊をさす。つまり一人の指揮官が部隊の状況を自分の目で見える範囲で把握できる部隊だ。 二個中隊以上で大隊となり、五百~千名の部隊となる。指揮は少佐クラス。二個大隊以上で連隊(旧日本軍では「聨隊」と書いた)となる。兵員は二千名前後で指揮は大佐がとる。二個連隊以上で旅団と呼ばれ、少将クラスが指揮をとり、兵員は三千~五千名。 師団は旅団を二つもつ四単位制(連隊が四個)と三単位制と呼ばれる(三個連隊)二つのパターンがあり、現代では三単位制が主流である。指揮官は中将クラス。ここで兵站(補給などの後方分隊)などの独立して戦闘を継続できる能力が与えられる。このため師団は戦略単位部隊と呼ばれる(兵員は一万五千名前後)。ただし、これは平時編制と呼ばれるもので戦時になると(戦時編制)、動員が下令され、約二倍の三万名ぐらいに増強される。さらに、旧日本軍の場合でみると、留守師団(出征した部隊の後に、兵を集めて新しく予備の部隊を編制すること)も編制(約一万五千~二万名)される。 ただし何処かの国のセルフディフェンスは全てが少しずつ小さいため、甲師団という師団でも九千名の定員があり、留守師団、戦時編制という発想がない。これでは一度の回線で後は続かない、という懸念がある。 師団を二つ以上集め、軍となる。指揮は中将。各国によって名称は違うが軍団と呼ぶ場合もある。更に二個軍以上で方面軍(大将が指揮)。この上になると総軍と呼ばれ、二個以上の方面軍を指揮することになる。 PR |
|