忍者ブログ
[PR]
2025 / 05 / 07 ( Wed )
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

02:46:27 | | page top↑
マンハッタン号事件
2010 / 03 / 11 ( Thu )

マンハッタン号航海事件
 (カナダとアメリカの喧嘩?)
続きを読む


 カナダは「ノースウェスト準州に位置する北極海諸島海域」を自国の領海として主張。しかしアメリカは認めなかった。
 アメリカ国籍のハンブル石油会社の砕氷タンカー・マンハッタン号がこの領海を油田開発調査のために開通航海した際には油濁事故の可能性すら有り得た為、カナダ国内で取り糺された。
 問題となった2度目の航海にはカナダ政府が定めた環境汚染防止規則にハンブル石油会社は合意。航海は無事に終わったが、米加政府間の争いは燻り続けた。
 アメリカとしては「北極海諸島海域」のような国際的な係争となりそうな「公海」において航海の自由を確保しないと軍事戦略に悪影響を及ぼしかねない。
 カナダはそれに対して、「北極海域汚染防止法案」という国内法を整備、間接的に「北極海諸島海域」の帰属を内外に宣言。カナダの北極海諸島沿岸から100マイルの環境汚染管理区域を設置。区域内への船舶侵入の際にはカナダが作成した汚染防止諸規則を適用する事にした。
 が、アメリカは執拗に反対。
 法案提出直前には、カナダ首相はアメリカ大統領に電話で説明しようとしたが不在。代わりに米国務長官と45分にも亘って討論する。
 アメリカは「合衆国は、もしも必要とあらば潜水艦(派遣)を含む、ありとあらゆる手段を使用してもカナダの立場に反対せざるを得ない」と断言。カナダはそれに対し「国務長官、もしも貴国が原油で動く超薄型船体を持つ軍艦を派遣するのでしたら、我々はそれを停泊させるのみならず、その軍艦に乗り、無理矢理にでも方向転換させますよ。そうなった場合、世界中がカナダ側に付きますが、それで良いのでしょうか?」と応じた。
 交渉は多国間会議へと移り、アメリカ主催で会議が開かれるも、カナダはソ連、イタリア、スウェーデン、ブラジルなど主要海洋国を実質的味方につけ、アメリカ案を頓挫させる。結果、1982年国連海洋法条約ではカナダ主張の海洋汚染防止原則も盛り込まれる事になった。

拍手

PR
03:19:31 | 雑記 | トラックバック() | コメント(0) | page top↑
<<Immer zu benennen | HOME | 漢数字>>
コメント
コメントの投稿













トラックバック
トラックバックURL

prev| home |next