日露戦争

明治37年2月8日、朝鮮・仁川沖でロシア艦隊に日本海軍が砲撃を加え、同時に先遣駆逐隊が旅順口を攻撃。
同年2月10日に宣戦布告。


日本側の宣戦の詔勅

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詔勅

天佑ヲ保有シ万世一系ノ皇祚ヲ践シメル大日本国皇帝ハ忠実勇武ナル汝有衆ニ示ス。
朕茲ニ露国ニ対シテ戦ヲ宣ス。朕カ陸海軍ハ宜シク全力ヲ極メテ露国ト交戦ノ事ニ従フヘク朕カ百僚有司ハ宜シク各々其ノ職務ニ率ヒ其ノ権能ニ応シテ国家ノ目的ヲ達スルニ努力スヘシ。凡ソ国際条規ノ範囲ニ於テ一切ノ手段ヲ尽シ違算ナカラムコトヲ期セヨ。
惟フニ文明ヲ平和ニ求メ列国ト友誼ヲ篤クシテ以テ東洋ノ治安ヲ永遠ニ維持シ各国ノ権利利益ヲ損傷セスシテ永ク帝国ノ安全ヲ将来ニ保障スヘキ事態ヲ確率スルハ朕夙ニ以テ国交ノ容義ト為シ旦暮敢テ違ハサラムコトヲ期ス。朕か有司モ亦能ク朕カ意ヲ体シテ事ニ従ヒ列国トノ関係年ヲ逐フテ益々深厚ニ赴クヲ見ル今、不幸ニシテ露国ト釁端（戦端）ヲ開クニ至ル豈ニ朕カ志ナラムヤ。
帝国ノ重ヲ韓国ノ保全ニ置クヤ一日ノ故ニ非ス。是ハ両国累世ノ関係ニ因ルノミナラス韓国ノ存亡ハ実ニ帝国安危ノ繋ル所タレハナリ。然ルニ露国ハ其ノ清国トノ明約及列国ニ対スル累次ノ宣言ニ拘ハラス依然満州ニ占拠シ益々其ノ地歩ヲ鞏固ニシテ終ニ之ヲ併呑セムトス。若シ満州ニシテ露国ノ領有ニ帰セム乎、韓国ノ保全ハ支持スルニ由ナク極東ノ平和亦素ヨリ望ムヘカラス。故ニ朕ハ此ノ機ニ際シ切ニ妥協ニ由テ時局ヲ解決シ以テ平和ヲ恒久ニ維持セムコトヲ期シ有司ヲシテ露国ニ提議シ半歳ノ久シキニ亘リテ屢次折衝ヲ重ネシメタルモ露国ハ一モ交譲ノ精神ヲ以テ之ヲ迎ヘス。曠日弥久、徒ニ時局ノ解決を遷延セシメ陽ニ平和ヲ唱道シ陰ニ海陸ノ軍備ヲ増大シ以テ我ヲ屈従セシメムトス。凡ソ露国カ始ヨリ平和ヲ好愛スルノ誠意ナルモノ毫モ認ムルニ由ナシ。
露国ハ既ニ帝国ノ提議ヲ容レス韓国ノ安全ハ方ニ危急ニ瀕シ帝国ノ国利ハ将ニ侵迫セラレムトス。事既ニ茲至ル。帝国カ平和ノ交渉ニ依リ求メムトシタル将来ノ保障ハ今日之ヲ旗鼓ノ間ニ求ムルノ外ナシ。朕ハ汝有衆ノ忠実勇武ナルニ倚頼シ速ニ平和ヲ永遠ニ克復シ以テ帝国ノ光栄ヲ保全セムコトヲ期ス。

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